作詞家たちに苦言を一席!
4月22日、箱根のホテルで開かれた作詩家協会の研修旅行会にお呼ばれした。僕は一時間ほど、歌づくりに冒険を!とぶち上げる。類似作品を書いていても、歌社会に乱入などできはしないよ...の助言だ。
参加者70名ほど、平均年齢は60代後半か。会食から二次会まで、終始なごやかな雰囲気で、カラオケが賑わうあたり、みんな大の歌好きなのだ。喜多條忠会長以下の幹部が、心を砕いて再編した結果とよく判る。残念なのは野心ギラつくような若手が居ないことだった。
2018年5月のマンスリーニュース
2018年6月28日更新作詞家たちに苦言を一席!
4月22日、箱根のホテルで開かれた作詩家協会の研修旅行会にお呼ばれした。僕は一時間ほど、歌づくりに冒険を!とぶち上げる。類似作品を書いていても、歌社会に乱入などできはしないよ...の助言だ。
参加者70名ほど、平均年齢は60代後半か。会食から二次会まで、終始なごやかな雰囲気で、カラオケが賑わうあたり、みんな大の歌好きなのだ。喜多條忠会長以下の幹部が、心を砕いて再編した結果とよく判る。残念なのは野心ギラつくような若手が居ないことだった。
灯ともし頃
作詞:永井龍雲 デビューするずっと前に、酔った僕が〝おかめ〟と呼んだら、「ひどい」と泣いた。師匠の藤竜之介が日本古来の美女の誇称だと慰めたら雨のち晴れ、プロになってからも会うたびに「おかめです!」と笑顔を作る人になった。
あのころの、いたいけなさが、この作品に見事に表れている。恋する乙女の心情が、ひどく一途で、かぼそげで、はかなげで...。
永井龍雲の作詞、作曲。灯ともしごろの娘のもの思いを的確に描いて、それが桜井くみ子の感性にぴったりはまった。萩田光雄のアレンジにも包まれて、この人の歌の巧みさが生きた。この人はこの曲できっと一皮むける。
夢落葉
作詞:里村龍一 〽古い酒場の赤ちょうちんが、おいでおいでと手まねきしてる...この作品の3番にあるフレーズ。作詞した里村龍一は、今夜もそんな気分で飲んでいるのだろうか? あいつは酒の歌を書かせたら一流だと僕は思う。
言動粗野、毀誉褒貶の毀だらけの男だが、時々「えっ?」と驚くような詞を書く。その孤独さが見逃せなくて、長いつきあいが続いている。作曲した岡千秋ともども、漁港型の不良か。
いい詞と曲を貰って、秋岡秀治はすっかり〝その気〟だ。低音響かせ、高音を渋めにしぼって、群れにはぐれた男心を懸命に演じた。
片恋おぼろ月
作詞:原文彦 作詞した原文彦は四国在住、東京を望見して詞を書き、なぜか作曲の叶弦大との仕事が多い。これもその一作で、竹川美子の15周年を記念するとか。叶が丸がかえの歌手だが、もうそんな年月が過ぎたか!
珍しく日本調、小唄端唄の匂いがある歌い出しのメロディーが叶の工夫。竹川の歌表現は相変わらず一生懸命ひと色だ。
日豊本線
作詞:鈴木紀代 男は小倉駅から列車に乗る。どうやらぶざまに別れてしまった女へ、やり直したい未練をかかえての帰郷らしい。そんな鈴木紀代の詞に作曲は水森英夫。
泥くささで行くなら、徹底的に泥くさく...と水森は、歌づくりに肚を決めている気配。それを民謡調の節回し、高音部はこれでもか!の気合いで、池田輝郎が歌った。
ぼたん雪
作詞:一葉よう子 しのぶ湯の里、恋のおわりを「一夜一生、女で生きる」が決めフレーズに、ま、定石通りの詞は一葉よう子という人。そんな6行詞に起承転結ほどよく、作曲したのは村田耕一という人。
西方裕之は面白い歌表現で、女心ものを男ものふうに歌ってみせる。歌う口調にそういう響きが出て、それがほぼ定石通りの詞と曲に、メリハリをつけた。