新歩道橋

2019年6月23日更新


新歩道橋1055回

 「金無垢の松平健」というのは圧巻である。ご存知の巨漢が、金のスパンコール一色の衣装で「マツケンサンバ」を歌い、踊る。これまたピカピカ衣装の男女ダンサーをバックに、大阪・新歌舞伎座の舞台を縦横無尽、客席も大いに沸くのだ。  「眼がチカチカして、痛いくらい...」  と笑うのは、舞台そでで・・・

新歩道橋1054回

 けいこ場に森光子からの差入れがドカッと届いた。  「えっ?」「えっ?」  「えっ?」  と、怪訝な顔の勢揃いになる。それはそうだ。贈り主の森は亡くなってもう、ずいぶんの年月が経つが、あれ? まだお元気でしたっけ? なんて呟きももれる。去る者は日々に疎しの例えもあるか、それにしても―、 ・・・

新歩道橋1053回

 ゴールデンウィーク明けから、せっせと江東区森下へ通っている。逗子から馬喰町まで横須賀線と房総快速の相互乗り入れで一本道、そこで都営新宿線に乗り換えて、浜町の次が森下である。行く先は明治座のけいこ場、6月7日初日の大阪新歌舞伎座公演のけいこだ。今年は役者の仕事が少なめで、この公演がいわば・・・

新歩道橋1052回

 《ま、これも〝ゆうすけ〟らしい創作活動の一端か》  そんな感想を先に持ったまま、山田ゆうすけ自作自演のアルバムを聞き始めた。「冬の鳥~高林こうこの世界を歌う」がタイトル。作詞家高林とゆうすけのつき合いは長い。二人は「シルクロード」という同人誌で知り合って、その25周年を記念した企てだと・・・

新歩道橋1051回

 久々に仲町会のゴルフコンペがあった。4月17日、名門の千葉・鎌ヶ谷カントリークラブ。西コースのスタートホールの第1打。ドライバーショットが自分でも驚くほど、よく飛んだ。  「ナイス・ショット!」  同じ組の作曲家弦哲也や後の組の四方章人、アレンジャーの南郷達也らから〝おほめ〟の声がかか・・・

新歩道橋1050回

 歌手井上由美子は近所のおじさんやおばさんから「パチプロ」だと思われている。理由はもうけの手堅さ。投資額は1000円代で、ジャラジャラ...と来ても深追いしない。台の選び方や球の打ち方などに、それなりの「手」はあるのだろうが、きちんと稼いで大損がない。  大阪の藤井寺から上京、足立区や昨・・・

新歩道橋1049回

 老練のシャンソン歌手出口美保は、粘りに粘った。以前にもこの欄で触れた大阪の作詞グループ「詞屋(うたや)」の歌づくり。メンバー各人の歌詞がほどほどに仕上がり、私家版のアルバム2作めにしようと企んでのことだ。作家・エッセイストの杉本浩平の詞「詩人の肖像」に、僕の友人の作曲家山田ゆうすけが曲・・・

新歩道橋1048回

 いきなりびっくりするくらいの〝ゆうとコール〟である。赤羽会館1階の客席はほとんど女子。歌が始まれば一斉にペンライトが揺れて、そのリズム感もなかなかだ。3月23日夕、辰巳ゆうとのファーストコンサート。昨年末のレコード大賞最優秀新人賞ほか、いろんな賞を取った注目株で、2階席にはメディア関係・・・

新歩道橋1047回

 内田裕也はいつも「怒って」いたし「いらだって」いた。自分の考えにそぐわない事柄が多過ぎるし、それをアピールしても届かない無念がある。言動が粗野だから、主張ぶりは時に〝事件〟となって、世間の耳目をにぎわしてしまう。  《そうじゃねぇんだよ、このタコ!》  という鬱憤が、どうしても積み重な・・・

新歩道橋1046回

 「二度とない人生だから...」  を冒頭に置いて、いくつかの心得が並ぶ。いわく―、  「太陽や月、星に感謝して、宇宙の神秘を思い、心を洗い清めていこう」  「風の中の野の花のように、命を大切にして、必死に、丁寧に生きていこう」  「お金や出世より、貧しくとも心豊かに、優しく生きてゆこう・・・