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2011年4月のマンスリーニュース

2011年05月28日更新

あえて暴論を一発!

 CDの売り上げ低迷が長く続く。演歌・歌謡曲の目標枚数は年々下がった。構造的な問題...と、改善のメドが立たぬいらだちをよく聞く。それならば...と、あえて暴論を書く。
 それならいっそのこと、冒険作、挑戦作、異色作に集中してはどうか。無難な安全企画でジリ貧になるより、意欲が伝わり、刺激が強まり、歌手の個性が明確になって、先行きの展望が開けはしないか?
 こんな時代と世相だからこそ、強い気持でいく! もしかするとこれ、暴論なんかじゃないかも知れないな。

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女...さすらい

作詞:池田充男
作曲:伊藤雪彦
唄:大月みやこ

 「すうっと歌う」ことの素敵さを考える。肩ひじ張らず、力まずに自然体...と、言葉では書けるが、実現するのはむずかしい。歌で〝思い〟を伝えるには、胸中の熱があらわになるし、声を整え、節を操る技術が必要だが、それが過ぎると、わざとらしさが浮く。
 「軽く」とか「抜いて」とかの注文が出るが、結果として声や思いの芯が失せがち。こういう歌はスカスカに「流れ」てしまう。
 大月はこの作品で、そんなハードルを越えた。もしかすると無意識の意識の成果かもしれないが、それこそが〝年季の芸〟だろう。

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雪の川

作詞:幸田りえ
作曲:幸斉たけし
唄:新沼謙治

 「歌うように語る」セリフと「語るように歌う」歌とがある。どちらも飾りけのない、率直で快い表現を指すように思える。必要以上の技は使わない。押しつけがましい感情移入は避ける。誇張のない表現とも言えそう。
 これが成就した時に聴き手に伝わるのは、歌手の人間味みたいなものだ。むき出しにならない〝やる気〟や功名心、淡々とマイペースで行こうとする立ち位置...
 新沼はこの年になっても、生来の素朴さは失っていないな...と、この歌を聞いて合点した。ほどの良い人柄の歌に好感を持った。

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瀬戸内最終行き

作詞:森田圭悟
作曲:岡ちあき
唄:立樹みか

 「へえ...」と思う。
立樹の歌唱と岡千秋の曲についてだ。二人とも結構コテコテの演歌うたいと演歌書きの印象が強い。それが語りの部分で始まるポップス系の曲で、手を組んだ。業界に固定しがちな先入観と闘うみたいで、時に意表を衝くことが大事だと思う。

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ゆめ暖簾

作詞:麻 こよみく
作曲:弦 哲也
唄:山口ひろみ

 この人デビュー10周年。元気だけが売りものではないアピールをした。女の意地と真心を歌い上げる...と、惹句が力むが、本人の歌には丸みが出ている。声の晴れ方やくぐもり方に、息づかいの妙が加わり、ひと皮むけた〝声の当てどころ〟が聞こえる心地がした。

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冬の旅人

作詞:田久保真見
作曲:弦 哲也
唄:小金沢昇司

 ムード歌謡でいく。小金沢は委細承知の発声法と歌唱法をとる。弦哲也の曲が方向付けをすれば、南郷達也の編曲も心得たものだ。演歌はメリハリ重視で、サビで決める。小金沢はこの歌を、全体の色合いと艶で決めようとした。この種の定番狙いのハラが据わったか?

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月の宿

作詞:麻 こよみ
作曲:徳久広司
唄:北野まち子

 歌詞とメロディーは、歌手が伝えたい思いの容れ物。しかし時には、容れ物の方が先行して、歌手がそれを満たそうとする作業もある。北野のこの作品の場合には、徳久広司の曲が彼女を誘導した気配がある。曲に寄り添っていく一途さが、歌から聞こえた。

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TOKIO千一夜

作詞:ちあき哲也
作曲:鈴木キサブロー
唄:香西かおり

 「ほほう、その手で来ますか!」が感想になった。ちあき哲也の詞、鈴木キサブローの曲、矢野立美の編曲の足並みが揃い、香西をその気に乗せて、歌わせた。何だか懐かしい気分のワルツ、都会の孤独をさらっと写し出して、おとなの遊び心が生きた。

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逢いたい、今すぐあなたに...。

作詞:いとう富士子
作曲:国安修二
唄:石原詢子

 詞の最初の4行で、景色と別離の哀愁をそっと置くように歌う。お次の2行がいわばブリッジ、決める4行で石原の鼻声がせり上がった。本人が作詞、昨年デュエットした国安修二が曲を書いたバラード。若草恵の編曲に包み込まれて、洋装の石原が楽しそうだ。

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情熱

作詞:浜崎奈津子
作曲:浜崎奈津子
唄:門倉有希

 タイトルそのままに「情熱」という熟語が12回も出て来る。成就しない愛を生きる主人公の思いが、一途に積み上げるように描かれた。ものがものだから、門倉の歌は自然にパワフルに盛り上がり続ける。オヤ!と気づくのだが、この人の根の暗さがどこかへ消えていた。

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面影橋

作詞:たきのえいじ
作曲:堀内孝雄
唄:堀内孝雄

 12年前の作品のリメイク。アレンジを変え、今の気分で歌い直したら「年を重ねる良さ」に気がついたと本人コメント。文章で言えば「行間の意味」が育ち、変化して、膨らんだということか。この人の歌、近頃は歌うよりオハナシする色が濃く、まるで「人に歴史あり」みたいだ。

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