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2013年6月のマンスリーニュース

2013年10月22日更新

香西と田久保の「技」に拍手!

 この間、MC通信の対談で、久しぶりに香西かおりと話したら「技」という単語が何度も出て来た。歌手になって二五年、ずっと追求してきたテーマらしいが、歌にそれが、あからさまでないことに好感を持つ。能ある鷹は爪を隠すのだ。作詞家は着想からスタート、それなりの完成度を目指す。せっかくのアイデアも、思いつき止まりでは底が浅くなる。田久保真見が、北島三郎の『百年の蝉』で見せた手際も、いってみれば「技」で、さらっと書いたように聞こえる妙味がある。

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酒の河

作詞:たきのえいじ
作曲:あらい玉英
唄:香西かおり

 この人はいつも、レコーディングするのはその楽曲の〝基本形〟だと考える。作詞家と作曲家が作品に託した〝思い〟を探り、それに自分の〝思い〟を添わせる。過 不足のない表現を心がけ、 〝こぶり〟に歌ってしっかり伝える。その後、ステージで歌う時などは、仕上がりがかなり変わる。作品が自分の中で育ったさまを、たっぷりめに表現するからだ。
 高音のサビあたり、声を絞って張る個所に苦心が聞こえるCD。よく聴けば言葉のひとつひとつを、ココロの流れの中で際立たせているのに気づく。技の使い方が精緻なのだ。

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百年の蝉

作詞:田久保真見
作曲:原 譲二
唄:北島三郎

 タイトルからして意表を衝く。地中で七年、がんばった蝉の、一途な生き方に胸うたれるのが一番。続く二番はそのぬけがらに、やるだけやった潔さを見る。そして三番で♪人の一生百年ならば 百年叫ぶ蝉になれ...と訴えて、歌を納める。なるほど...。
 ここのところ僕が、その仕事ぶりを追跡している田久保真見の詞。これまで多くの作詞家がトライしてきた人生ソングへ、彼女らしいアプローチだ。意表の衝き方を、奇をてらうことに止めない苦心のあとがある。切り口に蝉か、なかなかにやるじゃないか!

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佐渡炎歌

作詞:喜多條忠
作曲:弦哲也
唄:城之内早苗

♪これだけ男と女がいてさ...の歌いだし、何で俺だけモテぬのか...と多勢が実感するところを♪なんであの人知り合うた...と、するりとかわしたのは喜多條忠の詞。そんなとっつき易さで始まる詞を、弦哲也が大きめの曲に仕立てた。サビ二行分の展開、さすがだ。

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吹雪の宿

作詞:喜多條忠
作曲:弦哲也
唄:松原のぶえ

 ♪夢の糸ならちぎれても...の歌いだし一行、弦哲也の曲が思いがけない高音とその後のはぐらかせ方で出る。「ン?」とひっかかった聞き手を、二行めでちゃんと歌謡曲に落ち着かせる妙手。のぶえの声音の何色かと、巧みな節回しを生かす狙いが垣間見えて楽しい。

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なにわ情話

作詞:麻こよみ
作曲:岡千秋人
唄:島津悦子

 苦労承知で男に従う浪花女の心情ソング。ゆったりめの曲が盛り上がった直後に、わざと長めの間 (ま)を作る。チャチャチャンチャチャンチャンチャン...くらいの寸法で、聞き手が合いの手を入れるスキ間か。岡千秋の思いつきを、島津が〝その気〟で生かした。

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名も無い道

作詞:小宮正人
作曲:三好和幸
唄:井上由美子

 も一度夢を見て、相棒と肩寄せ合って、希望を持って生きて行こう...と、自分にも言い聞かせる人生ソング。ドドンドンドンの太鼓に合わせて、井上がパンチをきかせる男唄だ。「あの娘が気合いを入れて、まあ...」と彼女と親しいこちらは、ついニヤニヤしてしまう。

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海峡かもめ

作詞:三浦康照
作曲:岡千秋
唄:桜井くみ子

 中・低音はしっかり響かせ、たたみ込む個所もそれなりの小気味よさ。歌詞の後半三行分は、声も気持もいっぱいいっぱいまでせり上げた。岡千秋の曲に背を押された桜井の歌。一四年前のMCコンテスト優勝者だが、ずいぶん大人になったし、歌もしっかりした。

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さよなら酒

作詞:森坂とも
作曲: 水森英夫
唄:石原詢子

 けれん味はなくスタスタと、この人らしさの歌が、歯切れよくはずみ加減。主人公の、こまた切れ上がった姿が目に浮かぶようで、宣伝文の「聞いて、歌ってほっこり笑顔」に合点がいった。デビュー二五周年、歌の〝形〟は変わらぬまま〝味〟が濃くなっている。

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作詞:瑳川温子
作曲:伴 謙介
唄:ハン・ジナ

 そういえば、熟女のカラオケで聞き覚えがある。インディーズで受けた歌のメジャー展開、時おり現れる、はやり歌の主権在民ぶりが心強い。ハン・ジナの泣き歌が、ところどころシナを作って妙。花岡優平のシャンソンふうアレンジも利いていようか。

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メリーゴーランド
~涙の贈りもの~

作詞:花岡優平
作曲:花岡優平
唄:秋元順子

 「愛」と「恋」と「出 会い」と「別れ」を「涙」 でつないで、レトリックが目立つ詞も曲も編曲も花岡優平。メロディーまでメリーゴーランドふうにグルグル回るタイプを、花岡が書きたかったのか? 秋元に歌わせたかったのか? 秋元の声味は、相変わらず強い。

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