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2015年1月のマンスリーニュース

2015年08月31日更新

演歌は、ここまでないがしろにされて、いいのか?

 「紅白歌合戦」の、演歌の扱い方に腹を立てた。ことに香西かおりの『酒のやど』のシーン。ごちゃごちゃと応援?の芸人たちの動きが写って、香西の姿が消えた。しかもワン・ハーフ。これでは歌の情などどこへやらで、沁みようがない。演出陣が演歌に全く無知で、邪魔だとさえ思っていて、紅白も単なるバラエティ番組にしたいのなら、もう演歌歌手は呼ばないことだ。腹立つあまり作詞した池田充男に電話をしたら「孫と一緒の正月です」と屈託なげに笑った。大人物はあわてず騒がずか。

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あぁ... あんた川

作詞:吉幾三
作曲:吉幾三
唄:
石川さゆり

 歌手の歌の捉え方は、大別して2種。作品の思いを体内へ引きつけ、自分の思いとして歌うのがその1。作品の側へ出て行って、それをシナリオとし、体現してみせるのがその2。石川さゆりは後者の代表で、作品を演じるタイプと思っていたが...。
 それが違ったのか、彼女が変わったのか、さゆりは吉幾三の詞と曲を、すっぽり自分に取り込んで歌っている。少なくともそう聴こえる。艶然と率直が裏表一体になって、こざっぱりしたさゆり流。隙間多めの南郷達也のアレンジと、やりとりするあたりも色っぽい。

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いくじなし

作詞:さわだすずこ
作曲:弦哲也
唄:
山崎ていじ

 前作『昭和男唄』で、山崎は無骨、口べた世渡りべたの男を歌った。元ボクサー、筋肉質ののっぽというキャラが、それに似合って、13年めの第一線浮上。作詞さわだすずこはそんな歌の主人公に、今度は女の側からトライする。背中が痒いと浴衣の衿に、男の手を誘っても相手は気付かない─。
 女がじれったがっている歌である。前作の無骨男はストレートで歌えたが、山崎の二試合めはフックか、アッパーか? 作曲の弦哲也ともども、そこのところに苦心が要ったろう。結果、前川清みたいな部分も生まれた。

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独楽(こま)

作詞:久仁京介
作曲:岡千秋
唄:
島津亜矢

 男の生き方、心意気を、独楽を持ち出して久仁京介が詞にした。「独楽は心棒 こころも心棒 軸をしっかり 本気に据えりゃ...」という具合い。岡千秋が一部を行進曲みたいにドドンと決めれば、亜矢の歌は得たりや応である。心棒みたいに真っすぐで、ぶれがない。

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ふるさと海峡

作詞:たかたかし
作曲:徳久広司
唄:
菊地まどか

 「帰って来いよ おまえの居場所はここにある...」と、たかたかしの詞が、菊地まどかの居場所を作ろうとする。持ち前の声とノドの強さ、節の押し引きを生かそうと、徳久広司が曲を書いた。歌い納めの「帰ろかな ふるさと海峡」の昂揚が、それを物語っている。

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噂の港

作詞:池田充男
作曲:水森英夫
唄:
水田竜子

 水田の歌が、何とものびのびと心地いい。歌詞の一つ一つにこだわらず、メロディー軸足、情感大づかみに歌うせいだろう。池田充男がいろいろ書いているのに、水田は余分な感情移入を避ける。結果、声味が生きるのは、例によって水森英夫発声塾!?の成果か?

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十六夜化粧

作詞:田久保真見
作曲:四方章人
唄:
山本あき

 来ない男と知りながら、待つ身の女のじれったさを、田久保真見と四方章人が書いた。詞と曲がたっぷり書いた状況を、山本がじれながら歌う。さて...とこちらは考える。情感を抱き込んでも、突き放して歌っても、成立しそうな楽曲。あなたならどちらで腕を見せる?

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鏡川(かがみがわ)

作詞:仁井谷俊也
作曲:山崎剛昭
唄:
鏡五郎

 鏡川という川は「こころ」や「いのち」や「あした」を映す。どういうふうに?というと、逆らわず、なびき、あせらず急がず、かわらぬ情、人の愛を信じて─なんだとか。仁井谷俊也が書いた楽観的な男唄。鏡五郎がいかにもいかにもの気配で歌って、歌の芯が明るい。

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海宿(うみやど)

作詞:原文彦
作曲:弦哲也
唄:
桜井くみ子

 大ざっぱに言えば、前半4行が語り、後半4行が昂揚と、くみ子の役割が決まる。その前半、声は途切れても思いはちゃんとつながっている。昂揚部分は情感はりつめて、うまく二色の味を作った。弦哲也の曲、川村栄二の編曲に背を押されて、聴かせ唄に出来た。

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佐渡のわかれ唄

作詞:久仁京介
作曲:酉つよし
唄:
竹村こずえ

 「"仁"があるから...」とよく言われた。僕が舞台で芝居をする時で、これまでの体験や経歴が、ひとりでに味を作ると言う。竹村の歌にはその"ニン"を感じる。ポーンと歌えばそれだけで、気っ風のよさから気性までが聴こえて来る。伊達に年はとっていないね、この人。

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盛岡ロマンス

作詞:高畠じゅん子
作曲:花岡優平
唄:
木下結子

 花岡優平のどこか懐かしげな曲、アコーディオンを使った竜崎孝路の編曲から、シャンソン風味のいい歌に聴こえ、木下にもそんな味がある。ところが2コーラスめ、高畠じゅん子の詞が盛岡の風物を多めに書き込むと、ご当地抒情歌になった。思いがけない変化である。