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2015年7月のマンスリーニュース

2015年09月14日更新

新感覚派も守旧派も、なかなかだぜ

 田久保真見と幸耕平はそれぞれ、演歌を書くと"新感覚派"の趣きを持つ。歌書きとしての感覚や生理が、シャープさとリズム感に生きるのだ。そんな大月みやこの新曲に対して、三門忠司の新曲を書いた志賀大介や岡千秋は、いわば"守旧派"。こちらも歌書きとしての生まれや育ちが、そんな美意識で表れる。今月はそういう4人が2組になって、いかにもそれらしい歌を作った。新しい工夫もいいし、手練の技もいいと拍手しながら、俺は一体どっち派だろう?と自問した。

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港やど

作詞:仁井谷俊也
作曲:水森英夫
唄:
西方裕之

 伊豆下田、これが最後とわがままを言った女の逢瀬ソング。主人公になり切って歌ったら、仕上がり重くなるのは必定だ。それをそうなりにくくしたのが水森英夫の曲と、妙に弾み加減の伊戸のりおの編曲だろう。結果西方裕之の歌は、泣かずに感情移入ほどが良く、歌い納めのフレーズなどたっぷりめで第三者目線、そういう"お話"に仕立てた。

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女・なみだ酒

作詞:悠木圭子
作曲:鈴木淳
唄:
入山アキ子

 前田俊明のアレンジが、前奏からもう《おぉ、昭和テイスト!》の気分横溢だ。女の未練ごころを悠木圭子がひたひたと書いて、それをブンチャブンチャの乗りの曲にしたのが鈴木淳。女唄なのになぜか、霧島昇や殿さまキングスの顔を連想する。歌っている入山アキ子は高音部、いっぱいいっぱいの個所に艶がある声で、すっきりメロディ本位にこなしている。

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こころ花

作詞:久仁京介
作曲:徳久広司
唄:
キム・ヨンジャ

 キム・ヨンジャが2曲続く。それならきっとこちらは"わさび味"だろう...と思ったのは、久仁京介の詞が5行もの、徳久広司の曲が起承転結彼らしくなると見越してのこと。やっぱりそうだと合点するのは、歌詞4行分の、ヨンジャの切々の歌い方だ。不実な男にひかれながら咲くのは「袋小路のこころ花」で、歌い納め1行分で心開く歌唱が救いになっている。