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2016年11月のマンスリーニュース

2017年05月02日更新

快哉! 船村徹に文化勲章!

 作曲家船村徹が文化勲章を受章する。内定は蛇の道はなんとやらで耳にしていたが、10月27日記者会見、28日に一斉発表までが待ち遠しかった。昭和31年に山田耕作が受章したと聞くが、歌謡界では初の欣快事。書きたいし、話したくても、オカミが決めたニュース解禁日では、フライングする訳にはいかない。知ったらすぐ書く新聞記者癖をグッとこらえるのも、嬉しい初体験と言えば言えた。5月に心臓大手術をした船村の身辺は、一転して輝かしい日々になった。

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雪の兼六園

作詞:麻こよみ
作曲:影山時則
唄:
葵 かを里

 歌手生活も11年めに入っていようか。日舞を踊り、かつ歌う美女と聞いてはいるが、チャンスがなくて、まだ見ていない。名古屋を中心に活動しているせいなのだろう。ま、東京だけが芸事のメッカとは限らない。しっかりと地力をつけながら、好機到来となれば一気に全国区!という戦い方も、ひとつの生き方だろう。
 麻こよみが兼六園のあれこれを書き込んだ詞で、葵かを里のイメージに沿う。作曲の影山時則は昔、時次郎の芸名で歌っていた、伝説のディレクター馬渕玄三の配下。それが本格派の哀愁メロディーを書いた。少し鼻にかかる葵の歌声は、歌い出しから初々しいくらいの情緒派ぶり。詞曲歌の三拍子が揃ってなかなかである。

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霧笛の酒場

作詞:仁井谷俊也
作曲:徳久広司
唄:
北山たけし

 北山たけしは、こういう曲も似合うのだと発見した気分で《ほほう!》だ。前田俊明の編曲が、前奏をサックスで出るムード歌謡系。歌い出しの歌詞1行分、前半はすらっと出た北山の歌声が、後半で情をにじませるあたりから、いい味が生まれている。
 曲は徳久広司。昔彼がレコード大賞の作曲賞を取った時に、賞状に「3連の徳さんと呼ばれるあなたは...」なんて文面を書いた覚えがある。この作品のメロディーと乗りの気分のよさは、面目躍如と言えようか。
 昔のコーラスグループなら、メロディー中心に気分で歌いそうな曲を、北山はていねいに歌って彼のモノにした。そんな歌処理が今日的なのかも知れないと合点がいった。

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おんな炎

作詞:原文彦
作曲:弦哲也
唄:
花咲ゆき美

 原文彦が書いたのは8行詞、「くらくらと くらくらと」なんてフレーズをヘソにして、形はポップス系だが、中身は演歌系。それに似合いの曲を書いたのは弦哲也だ。花咲ゆき美の歌は、作品に誘導されてか、息づかい多用で、時にシナを作り、感情表現が演歌系だから妙な味わいが生まれた。これも作家たちの冒険の一つだろうか。

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燃えて咲け

作詞:星つかさ
作曲:星つかさ
唄:
和田青児

 作詞・作曲の星つかさはどうやら本人のペンネームらしい。理屈っぽい詞にフォーク系の曲がついている。それをそれらしい語り口で歌い出し、あとは声の操り方、感情のこめ方などで、細工いろいろだ。もともと歌巧者で、応分の自負も持っていそうな和田が、ヒットづくりの突破口を見出そうとする気配。ちょっとした技巧派ぶりだ。

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人生(ブルース)

作詞:もず唱平
作曲:弦哲也
唄:
長保有紀

 男を追って出奔した母親を、氷雨の中で思い出す娘の歌。子どものころ聞いたヘンな文句の子守唄を、どこの酒場で歌っているやら...と、しのぶ娘もどうやら不幸せ。もず唱平が書いた物語を、弦哲也が作曲、長保有紀が歌う。歌に聞き耳を立て、暗めな内容だけど「深いなぁ」と感じ入る。もずらしいタイプの詞に、長保の声味が似合っている。

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バラよ 咲きなさい

作詞:高畠じゅん子
作曲:徳久広司
唄:
北原ミレイ

 秋、冬、春、思い出残して虹が消えたと言う。愛が枯れた孤独のそんな季節に、バラよ咲けと女主人公は訴える。4行3行5行と3ブロック12行の詞は高畠じゅん子、シャンソン風味のそれに、淀みない曲をつけたのは徳久広司。北原ミレイに似合いの歌を書いて、夫君の作曲家中川博之と死別して3年め、高畠のひとり歩きの一曲だ。

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