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2017年1月のマンスリーニュース

2017年05月02日更新
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夕月おけさ

作詞:水木れいじ
作曲:水森英夫
唄:
天童よしみ

 《相当に、気合が入っているな》 と思う。その上で、頑張り方が過剰にならず、その人〝らしさ〟攻撃的なら、かなりの訴求力と説得力が生まれる。天童よしみ45周年、作曲の水森英夫と久々の組合わせが決まり、妙な例えだが人馬一体の感がある。
 ガツンと浪曲調の歌い出し、歌詞2行分から歌唱の押し引きの妙がある。次の1行をブリッジにして、続く2行分は啖呵のニュアンス。最後に調子を変えて、佐渡おけさの雰囲気は「はあ~」だけに託した。力唱だが力みがない仕上がりに、天童の充実ぶりが見えた。

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男のひとり言

作詞:さわだすずこ
作曲:弦哲也
唄:
山崎ていじ

 1コーラス9行、2ハーフの詞を、弦哲也の曲が大ぶりの男心ソングに仕立てた。歌い出し4行分を2行ずつ、情感の階段を上がって、7行目が高っ調子のサビ。じっくりと淀みなく歌い切れなければ、歌のゴールに辿りつけない構成だ。 さわだすずこの詞は、長いけれど展開は少なめ。それをメロディーの手を変えて、山や谷を作ったのは弦の手腕。もともと長めの歌は「入り口」と「出口」の間に「手口」を二つ三つはさまないと姿が崩れる。お陰で山崎ていじの歌が粘着力を増し、歌い納めに達成感まで聞こえた。

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凛と咲く

作詞:伊藤美和
作曲:小田純平
唄:
真木ことみ

 しあわせ演歌を女性の側から訴える詞。それを小田純平は、タイトルと各コーラス歌い締めの「凛と咲く」に力点を置いた気配。その分だけ曲がポップスに似た展開で大きめになり、さびなどついに、真木ことみが演歌ばなれをした声の張り方で、面白みを作った。

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北の絶唱

作詞:いとう彩
作曲:岡千秋
唄:
岩本公水

 岡千秋も頑張っている。歌い出しの歌詞2行分を小さめに語らせ、次の2行で一度曲を納める。そこから先がガ然、悲痛な張り歌。岩本公水が元来持っていた力量で、激しい展開を乗り切る。ド演歌から新境地を模索する岡と、歌い甲斐を求める岩本の呼吸が合った。

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肱川あらし

作詞:喜多條忠
作曲:船村徹
唄:
伍代夏子

 伍代念願の船村徹作品。喜多條忠の詞が、歌い出し2行分は破調で、次の3行が定型の字脚。船村は恐らく〝そう来るか〟のニヤリで、彼独特の曲を書く。伍代の歌は一言ずつ、思いを込めた細やかさ。長くカラオケ族用平易ソングを歌って来た人が、一皮むけた。

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月の帯

作詞:松井由利夫
作曲:山口ひろし
唄:
松前ひろ子

 松井由利夫の詞は、女心を眉の月に見立てて情緒てんめん。それを山口ひろしの曲が例によって骨太で、松前ひろ子の歌が真正面から彼女流。はじらいさえも脱ぎ捨てて乱れる女のさまが、隠忍の情などどこへやら...の能動的な女に変わる。夫唱婦随の極か。

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江ノ島絶唱

作詞:志賀大介
作曲:伊藤雪彦
唄:
三代沙也可

 イントロから〽ワワワワー...のコーラスが入るムード歌謡仕立て。そんな伴奏の容れ物の中身が、三代沙也可の演歌唱法で、ミスマッチの妙が面白い。湘南シリーズの何作めか。詞が志賀大介、曲が伊藤雪彦とベテランの遊び心が見えるが、伊藤も歳の割によくやるよ!

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おまえの涙

作詞:仁井谷俊也
作曲:山崎剛昭
唄:
鏡五郎

 しあわせ演歌を男の側から歌うから、鏡五郎は要所々々が巻き舌。それも優しさは声を寝かせて息まじり、決心するあたりは声を立てて男気を聞かせる。歌表現の彫りを深めたい技術、それを技術と思わせないこなれ方に、この人のキャリアと芸がある。

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母ちゃんの浜唄

作詞:さわだすずこ
作曲:弦哲也
唄:
福田こうへい

 夢の中でも今も、主人公は母親の歌を聞く。子どものころ母は魚の行商もどき、成人した主人公は魚河岸の仲卸人。言わば「ヨイトマケの唄」の漁港版で、さわだすずこの詞と弦哲也の曲が、工夫を凝らした。ところが福田こうへいは、ノー天気なくらいに声と節で歌った。

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佐渡の夕笛

作詞:仁井谷俊也
作曲:弦哲也
唄:
丘みどり

 丘みどりの歌声は、妙にはればれと響いて哀しい。そんな声味を生かす狙いか、弦哲也の曲は歌い出しからいきなり高音だ。佐渡の夕暮れが舞台、女心の未練唄の詞は仁井谷俊也。悲しげに切なげにあれこれ書いたが、丘の声が抒情歌みたいにすっきりさせた。

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