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2017年11月のマンスリーニュース

2018年01月22日更新

大きいことは良いことだ!

 〝ヨーロッパ風味〟と一言でくくってもいいか、北原ミレイと内田あかりが、スケール大きめの歌謡曲を力唱している。作曲は前者がお得意の花岡優平、後者が扱いネタの幅の広さを示す弦哲也だ。
二人の歌手はキャリアや芸風から、そんなタイプの作品がぴったりで、ちまちま演歌を歌わせても、まるで似合わない。そんな二人に幸せなのは、何がヒットの鉱脈か不透明で、逆に言えば何でもアリの昨今の流行歌の流れ。ま、大きいことは良いことだとしておこう。

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雪舞い岬

作詞:石原信一
作曲:鈴木淳
唄:
瀬口侑希

 ほほう、今度は鈴木淳の曲か...とニヤリとする。瀬口侑希にトライさせたのは、制作者の狙いか、鈴木の発案か。いずれにしろ瀬口侑希は、桜田誠一以後、いろんなタイプの作品を歌って来た。中堅どころの挑戦だろうが、この人の本線はまだ手探り続きでもある。
8行詞の前半は語るように歌い、後半で力唱気味になる構成。序破急の曲の呼吸が歌唱に生きて、瀬口らしくおっとりと、それなりの詠嘆の色が作れた。もともと暖かめの声味が、無理をせぬ彼女らしさで、案外この人にはこの種の歌謡曲が似合うのかも知れない。

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倖せ花

作詞:いではく
作曲:花笠薫
唄:
千葉一夫

 似た者同士が20年連れ添って、男は夢だけじゃ生きていけないと気づいた。熟年夫婦、遅めのおめざめの詞はいではく、三番の最後には「頼むぞおまえ」なんて言っている。
地味で長持ちの千葉一夫が、それをいつもどおりに歌う。良く言えば淡々、言い方を変えればマイ・ペース。そんな千葉の歌が、ところどころ突き気味に聞こえる。花笠薫の曲がメリハリキッチリしてゆるみがないせい。前奏から歌なかまで、終始女声コーラスが千葉の歌を包み、押し出してもいる。結果生まれたのは「地味派手」という奴か。

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眉山の雨

作詞:瀬戸内かおる
作曲:岸本健介
唄:
夏木綾子

 歌声を聞いただけでその人...と判るのは、歌手の得難い特性。しかし、そこまでの色を持たぬ歌手は、作品の色に頼るのが一般的だ。夏木綾子の今作を聞いて「おやっ?」と思ったのは、歌い出しから妙な倦怠感を感じ取ったせいだ。その分だけ、吉野川、眉山で男を待ちわびる主人公の年齢が上がった。このけだるさ、演出なら相当なものだ。

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ふたりでよかった

作詞:たかたかし
作曲:弦哲也
唄:
山本譲二

 作詞たかたかしお手のものの夫婦ソングに、手慣れた弦哲也がいかにも、いかにもの曲をつけた。一風変わったのは山本譲二の歌唱で、やんちゃなくらいに力が入っている。夫婦ものおなじみの暖かさ、優しさは後半の「ふたりでよかった」の1フレーズくらい。包容力よりは「ぶっちゃけた話がよ!」とばかりに、山本の地金を生かしたのか。

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酔月夜

作詞:喜多條忠
作曲:岡千秋
唄:
城之内早苗

 少し幼気な口調で、トツトツと歌うのが城之内早苗の特性。喜多條忠の詞はこのところ、それに合わせたタイプが続いたが、今度はそうは行かなかった。夜の桟橋ほろ酔い風情の主人公が、二番で酔いに任せて男を帰さず、三番ではついに、一糸まとわず月を見る。岡千秋の曲も"その気"で、サビあたり、城之内をあおり、力唱させた。

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バイオレットムーン

作詞:下地亜記子
作曲:花岡優平
唄:
北原ミレイ

 歌うのが北原ミレイだと、制作者はスケール大きめの作品で、その歌唱力を誇示したくなるのだろう。詞が亡くなった下地亜記子だから、もしかするとストック作品。作曲は花岡優平で、いかにも彼らしいポップス調の歌謡曲に仕立てている。タイトルと同じフレーズの繰り返しがヤマ場を作って、ミレイはのびのびと嘆き歌にした。

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ホテル・サンセット

作詞:かず翼
作曲:弦哲也
唄:
内田あかり

 昔の不倫相手を、ホテルで偶然見かけた女主人公の感慨を書いたのは、かず翼の詞、9行あるそれをシャンソン風味で、語らせ、歌わせ最高潮にいたる曲は弦哲也。伊戸のりおのアレンジもそれらしい色彩を作った。歌う内田あかりは、それなりのキャリア、それなりのキャラにそれなりの歌唱力。やはりこういう作品が"はまり"だ。

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