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2017年6月のマンスリーニュース

2017年07月27日更新

歌の流れは変わっているヨ

 歌巧者大集合のカラオケ全国大会で、100人余を聞く。明らかに変わっているのは歌の流れで、歌謡曲が中心、演歌は少なめ。ポップス系からシャンソン風まで、語り歌が目立ち、杉本眞人作品の多さが際立った。
 審査員は各メーカー第一線の制作者たち。どちらがどう影響するかはニワトリとタマゴだろうが、今月の10曲にもそんな傾向がある。古風なままの詞でも曲、編曲に今日的な味つけがあって、懐古趣味と多少の野心が寄り添う。歌唱はシンプルだ。

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風笛の町

作詞:麻こよみ
作曲:岡千秋
唄:
北野まち子

 北野まち子と岡千秋の縁は長い。彼の作品『包丁一代』のコンテストでプロになったのだから、ほぼ30年近く。その間断続的に岡が曲を書いている。北野のいいところを知り尽くしているはずだ。それが―。
 今回は何もさせない曲を書いた。歌唱をごくシンプルに、メロディーの哀感そのものを生かす作戦。それがご時勢流の〝はやり歌〟と捉え、北野の声味を生かす算段でもある。
 曲と南郷達也の編曲が風景を見せ、たたずむ女の心情を、作詞の麻こよみがシンプルに描く。風の音に淋しさを託した。

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おまえがいたから俺がいる

作詞:麻こよみ
作曲:徳久広司
唄:
小金沢昇司

 こちらも麻こよみの詞。〝しあわせ演歌〟の一種を男の側から、しきりに感謝している。苦労かけたな...と、差し向かいで女を見る眼が優しい。二番で自棄を起こした夜が出て来るのは定石通り。三番に撫子の花をあしらい女の笑顔に重ねる。一番と三番を歌えばすむおはなしの展開だ。
 徳久広司の曲と前田俊明の編曲が、歌を軽くはずませる。小金沢昇司もソフトに、さらっと歌う。言葉の一つづつにこだわらず、歌全体で男の居ずまいや、心根のあたたかさを表現する。この人男っぽく、相変わらず器用だ。

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残んの月

作詞:麻こよみ
作曲:徳久広司
唄:
杜このみ

 作曲した徳久広司が、杜このみの〝やる気〟を封じたようだ。デビュー5年め、がんがん行きたがる若さを、かわいい女に仕立てる。これも麻こよみの詞。「来る来ない、来る来ない、なぜ来ない」のフレーズもじれずに淡々。待つばかりの女心がすっきりした。

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哀愁流転

作詞:麻こよみ
作曲:弦哲也
唄:
桜井くみ子

 もう1曲、麻こよみの詞。作曲が弦哲也、歌が桜井くみ子となると、趣向も少々変わる。幸せ薄い女の指や声が、母に似てきたりするあたりがミソ。桜井の身上は泣き歌で、ふりしぼる声の情感が濃いめに生きる。川村栄二の編曲が、そんな演歌を微妙に一味変えた。

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黄昏

作詞:原文彦
作曲:叶弦大
唄:
山川豊

 いつものムード派ぶりが、演歌寄りの色を強めた。そう手口を変えても、山川豊の魅力は低音で、作曲叶弦大は承知のうえの曲づくり。たそがれの時期を迎える夫婦愛を、男の側から語る詞は原文彦。山川の歌はやや粘りがちに、彼ならではの恋唄にした。

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花のブルース

作詞:鈴木紀代
作曲:森進一
唄:
森進一

 そうだよ、そうだったよなと、森進一のデビュー当時を思い出させる女心もの。3連の気分のいい曲を書いたのも森本人だが、歌のゆすり方はあのころよりも薄めだ。鈴木紀代の詞は重ね言葉2行を歌い出しに置いた5行詞。猪俣公章や石坂まさをを思い出した。

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心化粧

作詞:さいとう大三
作曲:幸耕平
唄:
田川寿美

 夢色、花色、女色。幸せ探す女は心に紅を差すという詞はさいとう大三。幸耕平の曲はメジャーでやや明るめ。前奏、間奏に歌の中と、随所に女性コーラスが追いかける。25周年の田川寿美の歌を、包み込むような音づくり。演歌を少しは変えたい演出だろう。

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作詞:久仁京介
作曲:岡千秋
唄:
島津亜矢

 各コーラスの歌い出し2行、人生訓ふうに決めるのは久仁京介の詞。それを悠々堂々の鼓舞ソングにしたのは岡千秋の曲。島津亜矢の独壇場を狙ったが、それだけでは古風過ぎると思ってか、サビあとを軽めに弾ませて緩急の味を作る。技の温故知新なのかも。

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夫婦みち

作詞:津城ひかる
作曲:弦哲也
唄:
三門忠司

 こちらも古風な相惚れソング。詞の志賀大介と曲の宮下健治が、おめず臆せずの仕事だ。それを三門忠司が、おなじみの口調、声のあやつり方で歌う。1コーラスに一個所〝らしさ〟を作る三門の唱法。この世界のはやりすたりにわき目もふらぬ独自性本位だ。

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夢のつづきを...

作詞:花岡優平
作曲:花岡優平
唄:
秋元順子

 前奏から、トランペットとビブラフォンがいい調子の都会調。花岡優平の詞と曲は、吉田正の世界を思い出させるノリで、秋元順子の声味ともども妙に快い。ベテラン川口真の編曲が、いかにもいかにもだが、花岡の仕事は曲と気分優先で、詞はいまいちか。

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