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新歩道橋

2019年9月21日更新


新歩道橋1064回

 9月初旬の6泊7日ほど、深川・門前仲町のホテルに居た。昔、長いこと勤務したスポーツニッポン新聞社が越中島にあり、この一帯の飲み屋街はいわば僕の縄張り。ここから地下鉄大江戸線で一駅、清澄白河近くの深川江戸資料館小劇場でやった東宝現代劇75人の会公演へ通う。何・・・

新歩道橋1063回

 川西康介、60代、江東区深川在住のやくざ。先々代の跡目を継いで、こぶりの建築会社を経営。隅田川畔にボロ・アパートを持つ大家だが、老朽化の激しさに苦慮する。何しろ太平洋戦争末期の東京大空襲から、辛うじて焼け残った代物である―と、僕は珍しく今回与えられた役柄と・・・

新歩道橋1062回

 《ほう...》 いい歌に出っくわした。昼ひなかからうなぎを食って、日本酒をやったせいばかりではない。「小島の女」というその作品が、妙にしみたのだ。桟橋で男を見送る女が主人公。北から流れて瀬戸内へ来た居酒屋ぐらしだが、それが一夜の相手と別れる。ま、お定まりの・・・

新歩道橋1061回

 影を踏みながら歩いている。谷端川南緑道をトボトボ。連日35度の酷暑を午後1時半過ぎから15分ほど。地下鉄有楽町線の要町駅から行く先は廃校になった大明小学校跡の一部のけいこ場。9月4日初日の東宝現代劇75人の会公演「離ればなれに深川」(横澤祐一脚本・演出)の・・・

新歩道橋1060回

〽ナムカラカンノトラヤ~ヤ... がまた出て来た。太平洋戦争に日本が敗れた昭和20年、疎開して一時世話になった寺で、耳で覚えたお経の一部である。当時僕は小学校3年生(そのころはまだ国民学校と言った)だから、その意味など判るはずもない。歌謡少年の僕は、おまじな・・・

新歩道橋1059回

 「和也、水くせぇじゃねぇか!」 僕としては珍しく、他人に悪態をついた。もっとも口角はあげて、笑顔にとりつくろったうえのことだ。7月11日夜、場所は臨海斎場。ここで営まれていたのは西澤利男という人の通夜で、嫌味を言った相手はひばりプロダクションの加藤和也社長・・・

新歩道橋1058回

 店の照明が消えた。細長いカウンターの奥にある小さな庭園だけが、くっきりと浮かび上がる。草木の緑が色濃い装飾用のそれは「坪庭」と呼ばれるそうな。その手前に女性の人影が、うすらと見えて、彼女が吹き始めたのは篠笛である。哀感に満ちたその音色が、しょうしょうと店の・・・

新歩道橋1057回

 頭の中にあるのか、それとも心の中か。芝居の科白を入れる袋があるとする。その大小や機能には個人差があるのだろうか? 6月、大阪の新歌舞伎座の楽屋で、僕はふと、そんなことを考えた。川中美幸と松平健の合同公演。芝居は平岩弓枝作、石井ふく子演出の「いくじなし」と、・・・

新歩道橋1056回

 ホテルの部屋、電話器のメッセージ・ランプが点滅する。酔眠にその朱色がまぶしい。 《東京の便り、それも音楽界からか...》 案の定、キングレコードからのCDがフロントに届いていた。秋元順子の新曲のオケとテスト・ボーカルが収められたものだ。喜多條忠作詞、杉本眞・・・

新歩道橋1055回

 「金無垢の松平健」というのは圧巻である。ご存知の巨漢が、金のスパンコール一色の衣装で「マツケンサンバ」を歌い、踊る。これまたピカピカ衣装の男女ダンサーをバックに、大阪・新歌舞伎座の舞台を縦横無尽、客席も大いに沸くのだ。 「眼がチカチカして、痛いくらい...・・・
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