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新歩道橋

2019年11月 9日更新


新歩道橋1058回

 店の照明が消えた。細長いカウンターの奥にある小さな庭園だけが、くっきりと浮かび上がる。草木の緑が色濃い装飾用のそれは「坪庭」と呼ばれるそうな。その手前に女性の人影が、うすらと見えて、彼女が吹き始めたのは篠笛である。哀感に満ちたその音色が、しょうしょうと店の・・・

新歩道橋1057回

 頭の中にあるのか、それとも心の中か。芝居の科白を入れる袋があるとする。その大小や機能には個人差があるのだろうか? 6月、大阪の新歌舞伎座の楽屋で、僕はふと、そんなことを考えた。川中美幸と松平健の合同公演。芝居は平岩弓枝作、石井ふく子演出の「いくじなし」と、・・・

新歩道橋1056回

 ホテルの部屋、電話器のメッセージ・ランプが点滅する。酔眠にその朱色がまぶしい。 《東京の便り、それも音楽界からか...》 案の定、キングレコードからのCDがフロントに届いていた。秋元順子の新曲のオケとテスト・ボーカルが収められたものだ。喜多條忠作詞、杉本眞・・・

新歩道橋1055回

 「金無垢の松平健」というのは圧巻である。ご存知の巨漢が、金のスパンコール一色の衣装で「マツケンサンバ」を歌い、踊る。これまたピカピカ衣装の男女ダンサーをバックに、大阪・新歌舞伎座の舞台を縦横無尽、客席も大いに沸くのだ。 「眼がチカチカして、痛いくらい...・・・

新歩道橋1054回

 けいこ場に森光子からの差入れがドカッと届いた。 「えっ?」「えっ?」 「えっ?」 と、怪訝な顔の勢揃いになる。それはそうだ。贈り主の森は亡くなってもう、ずいぶんの年月が経つが、あれ? まだお元気でしたっけ? なんて呟きももれる。去る者は日々に疎しの例えもあ・・・

新歩道橋1053回

 ゴールデンウィーク明けから、せっせと江東区森下へ通っている。逗子から馬喰町まで横須賀線と房総快速の相互乗り入れで一本道、そこで都営新宿線に乗り換えて、浜町の次が森下である。行く先は明治座のけいこ場、6月7日初日の大阪新歌舞伎座公演のけいこだ。今年は役者の仕・・・

新歩道橋1052回

 《ま、これも〝ゆうすけ〟らしい創作活動の一端か》 そんな感想を先に持ったまま、山田ゆうすけ自作自演のアルバムを聞き始めた。「冬の鳥~高林こうこの世界を歌う」がタイトル。作詞家高林とゆうすけのつき合いは長い。二人は「シルクロード」という同人誌で知り合って、そ・・・

新歩道橋1051回

 久々に仲町会のゴルフコンペがあった。4月17日、名門の千葉・鎌ヶ谷カントリークラブ。西コースのスタートホールの第1打。ドライバーショットが自分でも驚くほど、よく飛んだ。 「ナイス・ショット!」 同じ組の作曲家弦哲也や後の組の四方章人、アレンジャーの南郷達也・・・

新歩道橋1050回

 歌手井上由美子は近所のおじさんやおばさんから「パチプロ」だと思われている。理由はもうけの手堅さ。投資額は1000円代で、ジャラジャラ...と来ても深追いしない。台の選び方や球の打ち方などに、それなりの「手」はあるのだろうが、きちんと稼いで大損がない。 大阪・・・

新歩道橋1049回

 老練のシャンソン歌手出口美保は、粘りに粘った。以前にもこの欄で触れた大阪の作詞グループ「詞屋(うたや)」の歌づくり。メンバー各人の歌詞がほどほどに仕上がり、私家版のアルバム2作めにしようと企んでのことだ。作家・エッセイストの杉本浩平の詞「詩人の肖像」に、僕・・・
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