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人間味が横溢、作曲家の弾き語り

2017年12月28日更新


殻を打ち破れ192回

 BSテレビは昭和の歌ばやりである。戦後の作品が多いが、演出も手を替え品の替えだ。僕にもあちこちから、声がかかる。時おり、

 「誰か他の人に頼んでよ」

 と、断りにかかることがある。親しいつき合いがなかった歌い手さんの場合で、実感的な話が出来そうもないケース。すると電話の相手はひと呼吸おいて、

 「でも、皆さん亡くなって、あなたくらいしか居ないんですよ」

 と来る。やれやれ、消去法の人選か...と肩すくめながら、ご期待に応えて"年寄りの知ったかぶり"をする事になる。しかし当方も80才超、生き残っている幸せをかみしめるばかりだ。

 新聞記者時代から、密着取材型である。興味深々、根ほり葉ほりで、それを許してくれた方々には、とことん懐に入れてもらった。だから、歌手で言えば美空ひばり、作家で言えば船村徹、星野哲郎、阿久悠、吉岡治...といったお歴々についての番組なら、否応なしにOKする。長く縁を頂いたことへ、せめてもの心づくし、ご恩返しになろうか。

 一風変わった番組にBSフジの「名歌復活」というのがある。作曲家の弾き語りを中心に四方山話をする趣向で、1回目は弦哲也、岡千秋、杉本眞人と一緒だった。弦の『天城越え』などはギター演奏も含めて大したものだし、岡の『長良川艶歌』杉本の『吾亦紅』なども得難い味がある。それに船村作品をぜひ...となると、弦が『東京は船着場』杉本が『新宿情話』...と、思いがけない歌を聞くことも出来た。船村作品ではないが、岡の『海峡の春』『黒あげは』などは絶品と言っていい。

 1回めの視聴率がBSではびっくりするくらいの数字だったとかで、2回めは出演者に徳久広司を加え、来年1月には3回めを収録することになった(3月放送予定)。舞台設定が洋風酒場、いつもの親交をそのまま...と言うので、僕の呼び方は「弦ちゃん」「岡ちん」「杉本」「徳さん」と、やたら慣れ慣れしい。放送後の反響に、

 「あの威張っている爺さんは、一体何者だ?」

 というのがあったが、それはそうかも知れない...とやり過ごす。

 この企画、実は築波修二という男の持ち込みである。彼は昔あった音楽情報誌「ミュージックラボ」の新入だったが、コラム「歩道橋」を持っていた僕は、以来ずっと兄貴風を吹かせている。築波の仲間には音楽プロデューサーで文筆業も盛んな佐藤剛、音楽出版社協会の顧問の工藤陽一が居て"ラボ3羽がらす"の趣き。古いつき合いは嬉しいもので、時おり飲んでは、

 「作曲家の弾き語りは人間味たっぷりで、自作への愛情もにじむから最高!」

 などと盛り上がっている。


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