2010年8月のマンスリーニュース

2010年9月28日更新


"なぞる昭和"が、遠くなる...。

 昭和テイストばやりである。世の中こんなふうで先が見えないせいか、文化各方面に回顧色が強い。 流行歌もご他聞にもれず、今月も氷川きよし、三門忠司ら、そんな色合いの作品が並んだ。
 カラオケ族を中心に、メーカーが購買層に見込んでいるのは高齢者である。彼や彼女たちは昭和の青春を生きて、個々の思い出にみんな昭和メロディーがからまっている。作詞・作曲する側も、昭和のよきころの体験者だ。
 歌う側と聞く側が、安心しきって浸ることのできる情感世界を共有する。そのもたれ合いの中で昭和がだんだん遠くなっていく――。