2011年3月その他1

2011年4月27日更新


おんな風の盆

おんな風の盆

作詞:池田充男
作曲:叶 弦大
唄:中村美律子

 ていねいに歌うということはつまり、歌詞のフレーズの語尾に、どういう思いを託すかに通じる。中村のこの曲を聞いての感想だ。
 ♪髪をほぐして、うす紅ひけば...の歌い出しの1行、まず語尾の「て」をひょいと〝置き〟次の「る」はしっかり気持を〝乗せ〟た。2行めの頭へ、情感を重ねてつなぐ手口だろう。
 サビの、♪あれは鼓弓の、しのび音か...は、「の」で気持を〝揺らし〟て、最後の「か」は何と、声を〝引き〟ながら、思いの芯は〝強め〟た。
 池田充男の詞をきれいに〝見せ〟ながら、この人一流の語り口と言えようか。