2011年4月その他1

2011年5月28日更新


女...さすらい

女...さすらい

作詞:池田充男
作曲:伊藤雪彦
唄:大月みやこ

 「すうっと歌う」ことの素敵さを考える。肩ひじ張らず、力まずに自然体...と、言葉では書けるが、実現するのはむずかしい。歌で〝思い〟を伝えるには、胸中の熱があらわになるし、声を整え、節を操る技術が必要だが、それが過ぎると、わざとらしさが浮く。
 「軽く」とか「抜いて」とかの注文が出るが、結果として声や思いの芯が失せがち。こういう歌はスカスカに「流れ」てしまう。
 大月はこの作品で、そんなハードルを越えた。もしかすると無意識の意識の成果かもしれないが、それこそが〝年季の芸〟だろう。