2011年12月その他1

2012年2月2日更新


花ぼうろ~霧氷の宿~

花ぼうろ~霧氷の宿~

作詞:たかたかし
作曲:弦哲也
唄:川中美幸

 平成23年の春と秋、明治座公演『天空の夢』で、僕はこの人と〝差し〟の芝居をした。向き合って二人きり、身近かに感じたのは、幕末の長崎、懸命に生きる大浦屋お慶を演じるこの人の、熱い思いと表現の呼吸...。
 この歌を聞いて同じ気配に気づいた。すぼめた声の芯をしならせて、まっすぐに思いのたけを伝える。別れを前にした女心ソング、一番で雪の風景の中に主人公を立たせ、二番でその心情を吐露、三番で尽きぬ未練を訴える。歌いながら語っていて微妙。この人は明らかに、歌の中で女優をやっている。