2012年1月のマンスリーニュース

2012年3月1日更新


「技巧」と「伝わりやすさ」と

 

 芸ごとの重要な要素のひとつに「技」がある。歌の場合、小節がその一例だが、歌手たちは思い思いのやり方で、表現に工夫をこらす。
 五木ひろしがその筆頭。今回の『冬の唄』にも彼流の差す手引く手が随所にちりばめられている。
 この「技」が実は曲者で、やり過ぎたり消化不良だったりすると、歌が嘘っぽくなる。伝えるべきココロより、技巧の方が浮き上がるせいだ。技はさりげなく、気づけば「さすが!」のサジ加減で使いたいが、むずかしいものだ。