2012年7月その他1

2012年8月30日更新


松山しぐれ

松山しぐれ

作詞:喜多條忠
作曲:弦哲也
唄:城之内早苗

 演歌ではない演歌――と書くと妙だが、そんなタッチの歌に仕上がった。歌の姿そのものがほっそりときれいで、演歌特有のアクや泥くささがまるでない。
 謎は発声にある気がする。腹式呼吸で声の芯を強くし、体に反響させて太めに、歌に説得力を作る演歌の作法がない。ごく自然に素直な声の出し方は、どちらかといえばポップス系。そのうえメリハリに頼らず、メロディーの起伏をやや控えめに辿る。
 そのくせ小節はコロコロで、不思議な可憐さが生まれた。城之内の新しい個性ということになろうか。