2012年8月その他1

2012年10月13日更新


雪のれん

雪のれん

作詞:瀬戸内かおる
作曲:岸本健介
唄:夏木綾子

 作曲家・岸本健介と夏木は、実に長いコンビを組んだままだ。岸本が他の歌手に曲を提供する例はたまに聞くが、夏木が他の作曲家の作品を歌ったケースは、記憶にない。一蓮托生、お互いの才能に賭けている。
 試行錯誤の歩みである。岸本にはきっと「これでもか、これでもか!」の思いが強かったろう。それがこの作品で、一つの成果をあげた。六行詞の〝港もの〟だが、曲にゆるみたるみがなく、夏木の歌を落ち着かせた。そのおだやかな起伏を、中・低音の語り口で、夏木は彼女〝らしさ〟を作った。師弟の思いが深い。