めおと桜
作詞:建石一作曲:弦哲也
唄:川中美幸
♪三十路苦労をなみだで越えて 五十路を迎えて知る情け...が三番の歌い出し。『ふたり酒』『二輪草』に次ぐ〝しあわせ演歌〟の代表作へ、さりげなく等身大のニュアンスが埋め込まれた。長く一緒に歩いて来たファンも含め、共感への落としどころに思える。
前二作に較べれば、歌の肌理(きめ)が細かくなっている。笑顔を感じさせる歌声、ゆったりめの包容力をそのままに、この人なりの熟し方のあらわれ。新年一、二月は名古屋・御園座公演だが、安定した女優としての表現力と魅力が、歌に加味されている。