
ふたりの夜汽車
作詞:麻こよみ作曲:水森英夫
唄:西方裕之

麻こよみの詞は〝道行きもの〟である。世間を捨て、過去を捨てた男女が、最終の夜汽車に乗る。そんな状況を水森英夫の曲は、じめつかず、悲しみを抱え込まないタイプに仕立てた。往時の三橋美智也の世界を連想させて、むしろ気分のいいノリだ。
歌い出しを高音で出れば、サビに高音が来て、歌い納めにもう一度高音が来てワンコーラス。結果、訴求力強めの作品になって、西方の歌もそれなりの覇気を生んだ。
六行詞の終盤二行が、曲も歌も少し優しげになるあたりが、今日ふうだろうか。
