ふるさと銀河
作詞:水木れいじ作曲:若草恵
唄:天童よしみ
歌い出しの歌詞二行分が勝負!という要諦は藤田まさと、星野哲郎らが実践して見事だった。この鉄則、実はメロディーにもあてはまって、例えば天童のこの作品 ――。
♪泣いた分だけ 幸せやると...の歌い出し一行の、前半だけで勝負があった。天童の声が一番生きる高音でオイシサを作って、《ほほう!》である。作曲家としての若草恵は、すっかり〝その気〟になっている。
そのうえ六行の詞に何カ所か、オイシイ旋律をはめ込み、歌手の攻め所を増やす。お陰で天童の歌は、のびのびとして快く、哀しい。