2013年3月その他1

2013年6月1日更新


春一夜

春一夜

作詞:さいとう大三
作曲:四方章人
唄:大石まどか

 一番に桜、二番に蝶、三番に月をあしらった詞が、惹句に言う「密かな情念、仄かな描写」を指す。古風な情景を水彩画三枚みたいに描いたのは、久しぶりにさいとう大三。それを四方章人が穏やかな味のワルツに仕立て、蔦将包の編曲もなかなか...である。
 歌っているのは誰?と、聴き耳をたてさせる大石は、相当な変わり身と熟し方を示す。抑えた歌唱で情感を維持した二行のあと、サビの盛り上がりで思いのたけを外向けに開き、歌い納めの昂揚は、その思いを内省気味に表現した。四者四様、いい仕事ぶりだ。