男の酒場
作詞:万城たかし作曲:岩上峰山
唄:西方裕之
イントロから、ギターが泣き加減の路地裏演歌。昔々、飲み屋横町の赤提灯を伝い歩いた、ギター流しが得意としたタイプだ。
西方の歌も委細承知のノリ。馬鹿な奴だ...と自嘲気味の男心を、まっすぐ声高に吐露する。サビの歌詞一行など、この人には珍しくめいっぱいに声を張った。それだけでは能がないかと、歌い納めの二行分は、ふっと我に返った優しさの息づかいで、味を深める。
作詞・万城たかし、作曲・岩上峰山はなじみのない名だが、昭和演歌の定石を踏む仕事ぶり。しかし、このタッチとノリは平成のものだ。