2013年12月その他1

2014年5月27日更新


祇園のおんな

祇園のおんな

作詞:高田ひろお
作曲:弦 哲也
唄:川中美幸

 「柳芽をふく 石畳」「夏は宵山 大文字」「霧にかすんだ 花灯路」と。五行詞スリーコーラスの最初の一行がさりげない。そこで景色を見せておいて、京都祇園の女性のおもてなしの心を語る。流行語を取り入れながら、コミカルにはしない筆致で、作詞の高田ひろおが、情のこまやかさを示す。近ごろ見かけない、推敲の気配が頼もしい。
 作曲・弦哲也がこれまた情の歌書き。そうと来れば川中の歌唱も、息づかいをまじえて表現がこまやかになる。三者それぞれに、抑制の妙を利かせた一曲と言えようか。