2014年1月その他2

2014年6月5日更新


路傍の花

路傍の花

作詞:坂口照幸
作曲:大泉逸郎
唄:大泉逸郎

 一転してこちらは、歌い回しの歌。大泉が作曲もしているから、「孫」以来ずっと変わらぬ大泉流だ。加齢の気配が声に少し出て来て、張り歌だが、歌い伸ばす語尾に、吐く息がまじる。ビブラートの細かさ、揺すり方も手伝って、田端義夫ふうがちらりとする。
 「何より地道が一番と...」という2番の歌詞の頭に、作詞坂口照幸の顔が見えた。「人生晩年 今わかる めおと以上の 縁はない」という3番の頭には、大泉の顔もダブった。演歌も芯の芯に息づくのは、私小説部分だと思っているから「ほほう!」と合点した。