2014年6月のマンスリーニュース

2014年9月16日更新


"いい作品再発掘"の陰の懸念

 五木ひろしが3月に「桜貝」を出して、今月は細川たかしが「女の十字路」である。たまたま福田こうへいのレッスン用テープ「風やまず」は三度目のお目見得。いずれも旧作の再発掘だ。
 歌手にぴったり"はまりの作品"は、そうそう出来るものではない。ご時世にはまるかとなるとなおむずかしい。だから「いい作品を再び」の試みは、それなりの意味があって悪くはない。しかしその陰に、ステレオタイプの作品への疑義がありはしないか? 歌手が飽きる前にファンが飽きる。痩せて久しいのは歌詞で、巻き返しを切望する所以だ。