蒼い糸
作詞:田久保真見作曲:五木ひろし
唄:角川博
作曲家はそれぞれ、独自のメロディーを持っている。それが強く前面に出る時もあるし、ふっと歌い尻に出る時もある。歌手も大成する向きは、独特の語り口を持つ。こちらは歌の端々に、かっちりとそれが出るものだ。
角川の今作は、五木ひろしの作曲。当然みたいに、メロディーがそれらしいから、角川の歌にも、五木に似た語り口の部分が生まれる。歌詞の3行めの歌い尻や、4行めの頭の言葉の発し方にそれが匂う。
結果、角川の歌の情が、こまやかになった。曲と歌の、組み合わせの妙だろうか。