2015年7月その他2

2015年9月14日更新


望郷おとこ笠

望郷おとこ笠

作詞:志賀大介
作曲:岡千秋
唄:三門忠司
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 母という字を この手のひらに なんど書いたろ詫びたろう...という二番の歌い出し2行の詞に《ほほう》である。旅烏の母恋いは番場の忠太郎をはじめ、歌にさまざま出て来たが、これはなかなかの妙手だ。
 一番、三番にも、同じ個所にそれらしい決めフレーズが並んで、作詞志賀大介はさすがの年の功。それに岡千秋がお得意の浪曲調の曲をつけて、語らせたりゆすらせたり...。
 そんな二人の工夫が、三門忠司の声味と節回しを生かす。斜に構えて自嘲気味の渋い男唄。各節最後の歌声が、目線上向きでいい。