
霧笛の宿
作詞:池田充男
作曲:船村徹
唄:大月みやこ

歌い出しの歌詞1行分につけたメロディーだけで、作曲者は船村徹と判る。小さな譜割りの緩急、ゆすり方が独特なのだ。
池田充男の詞は一見さりげなく、特段の技を示さない。こちらもそこが曲者で、平易な表現が婉曲。含みを持たせ、意味あいを掛けて、情のゆらめきを残す。
八十才を越えた二人の、若々しい名勝負の一端を聞く。池田はあくまで控えめに、先輩船村を立てながらの仕事だが、胸中、期するところはあるのだろう。それを感じ取ってか、大月の歌がもう〝その気〟になっている。
