
倖せさがし
作詞:さいとう大三作曲:幸耕平
唄:田川寿美

「ほほう」と思ったのは幸耕平の曲。音楽的な生まれや育ちから、リズム強調型の作品が多かったのが、今作は本格的演歌である。歌書きの意欲の表われか。
「ほほう」のもう一つは田川寿美の歌唱。歌うよりは語るように、息づかいもまぜて抑えめに仕立てた。「抑える」のは「抜く」のとは違って、声の芯に情感を保つ。世の中万事こういうふうだから「重さ」よりは「軽さ」が求められている...というのが、彼女の読み。
デビュー25周年、いろいろ思い惑うタイプの人が、近ごろ到達した境地のようだ。
