2016年2月その他2

2016年3月31日更新


かなしい女

かなしい女

作詞:田久保真見
作曲:徳久広司
唄:角川博
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 こちらは「ほほう」である。苦境を酒に頼ってなお、呑んでも呑んでも酔えない女の嘆き歌。角川が作品にうまく入って、語り口まで女口調で歌う。楽曲を一つ「歌う」というよりは、主人公の気持ちに「なってみせる」という境地。長く声に頼って、歌い回して来た人の、それなりのキャリアと進境が示された。
 曲は徳久広司の裏町流し歌タイプ。詞は田久保真見が、救いのない女心をつきつめる。サックスが前奏で鳴る編曲は前田俊明。揺れながら歌う角川が、歌い尻の かなしい女...をリットしながら、大芝居で収めた。