
宗谷海峡
作詞:仁井谷俊也作曲:徳久広司
唄:野中彩央里

女の悲恋ソングを身を揉むように、全身全霊かたむけて歌いたい。演歌歌いなら大ていは、そんな夢をかかえていよう。それにふさわしい大作が欲しい。そんな作品にめぐり合って、代表作に育てたい―。
どうやら野中彩央里は、そんなチャンスを得たようだ。日本最北端の稚内あたり、仁井谷俊也が書いた主人公の恋も行き止まり。凍える胸で見つめるのはサハリン...。8行詞2ハーフ、徳久広司の曲は、泣け!とばかりに高音部が切迫する。野中の歌は〝なりきり型〟の悲痛さで、ここを先途...の昂り方だ。
