新庄恋しや
作詞:麻こよみ作曲:水森英夫
唄:水田竜子
望郷ソングの舞台を、新庄あたりに限定した。麻こよみの詞は最上川や杢蔵山などを小道具に、ご当地ソングの味つけがオマケ。それにゆったりと、民謡調のメロディーをつけたのは水森英夫。歌詞4行分で一段落、ひと呼吸おいて、こちらにも民謡の一節ふうがオマケ。情趣のダメ押しだろう。
昭和30、40年代にかけて、よく歌われたタイプの作品。あのころ一斉に都会に出た若者が、地方との分断の失意を歌ったが、平成ももはや晩年、心は少しは豊かなのか、主人公の感慨には、さほどの切実感はない。
だから、水田竜子の声味が生きた。芯が明るめの声に哀愁少々、のびのびと素直な歌唱で、抒情性を加えている。