
灯ともし頃
作詞:永井龍雲作曲:永井龍雲
唄:桜井くみ子

デビューするずっと前に、酔った僕が〝おかめ〟と呼んだら、「ひどい」と泣いた。師匠の藤竜之介が日本古来の美女の誇称だと慰めたら雨のち晴れ、プロになってからも会うたびに「おかめです!」と笑顔を作る人になった。
あのころの、いたいけなさが、この作品に見事に表れている。恋する乙女の心情が、ひどく一途で、かぼそげで、はかなげで...。
永井龍雲の作詞、作曲。灯ともしごろの娘のもの思いを的確に描いて、それが桜井くみ子の感性にぴったりはまった。萩田光雄のアレンジにも包まれて、この人の歌の巧みさが生きた。この人はこの曲できっと一皮むける。
