2018年6月その他1

2018年7月23日更新


火の河

火の河

作詞:池田充男
作曲:岡千秋
唄:真木ことみ
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 池田充男にしては珍しく、前半破調の詞に岡千秋が寄り添う曲をつけた。歌い出しの歌詞1行から、ゆったりと長めで、歌い手は情感の維持を強いられる。話し言葉の2行分で昂ぶった思いを、歌い収め2行分は演歌調で決める寸法。ここで歌い手はお得意の歌唱に戻れて気分は解放された。
 前作で真木ことみは、ファルセットも使って女唄に転進した。その名惜りは歌唱のあちこちに残り、息づかいや歌う語尾のやわらかさに生きる。特異な声味を持つ人が、一曲ずつ孵化していくようだ。