春はもうすぐ
作詞:麻こよみ作曲:徳久広司
唄:小金沢昇司
一言で書けば"しあわせ演歌"のムード歌謡版。麻こよみの1コーラス7行、長めの詞が、苦労をかけた女性への男の"ありがとう"をあれこれ語る。それに気分のいい起伏のメロディーを徳久広司がつけ、前田俊明のアレンジは、前奏でトランペットを鳴らし、歌なかには口笛がところどころ。
小金沢昇司の歌は、張らずに声をすぼめるが、芯に情感の核をきっちりと守る。感情移入が強めになるのは、歌い収めの1行分。それも最後の「来てるから」の高音で、声の表と裏ぎりぎりのところで艶を作った。器用な人だ。