小西良太郎のカラオケ談義

2023年6月7日更新


(5/25ソングブック掲載)雑文屋として生き、雑文屋として幕を閉じる。

訃報小西良太郎さん逝去  本誌連載コラム「小西良太郎のカラオケ談義~殻を打ち破れ!~」や日本アマチュア歌謡祭審査委員長でNAK会員にお馴染みの小西良太郎さんが、さる5月13日、膵癌でお亡くなりになりました。  小西さんは東京都生まれ、疎開先の茨城県水海道高校卒業後1958年にスポーツニッ・・・

(4/25ソングブック掲載)師の救急ベッドに何と! 俺も寝た!

殻を打ち破れ255回 坂本龍一が亡くなった。71歳とまだ早過ぎる年齢と闘病の厳しさが、訃報に接した人々の胸を詰まらせた。理知的で「教授」をニックネームとした彼の音楽的業績は、世界中のファンに愛され、尊敬された。YMOの成功、「ラストエンペラー」の米アカデミー賞作曲賞受賞、「戦場のメリーク・・・

弟分・走裕介と村木弾の新曲を聴く

殻を打ち破れ254回  あれは二月だったか? 網走まつりはむちゃくちゃ寒かったな…≫  初夏みたいなぽかぽか陽気の湘南・葉山で、14年前の冬を思い出した。走裕介の新曲『篝火のひと』を聞きながら。デビュー15周年記念シングルという惹句にも、そこそこの感慨を覚える。出身地網走の「網」をはずし・・・

居酒屋は僕の、大事な仕事場だった!

殻を打ち破れ253回 大通りから階段を降りた地下1階、右手にあった引き戸を開けた。居酒屋の賑いそこそこの雰囲気はいい。しかし、L字のカウンター席の内側で、包丁を使っていた親父が、こちらへちらっとあげた視線をそのまま、料理に戻した。無愛想な“大将”の反応に  ≪いかんな、これは俺好みの店じ・・・

流行歌の分断、細分化は平和だった日々の証か

殻を打ち破れ252回  ≪そうか、年齢が年齢だものな。長いこと得意にして来た“張り歌”から穏やかめの“語り歌”に移行する気配がある…≫  友人の新田晃也から届いた新曲を聴いてニヤニヤする。『旅の灯り』と『さすらい雲』の2曲。ここ何曲か作詞家石原信一のものが続いていたが、今作は本人の作詞、・・・

仲町よ、故郷はありがたいなあ

殻を打ち破れ251回   高知の四万十川は有名だが、地元にはそれに対抗する清流・仁淀川がある。「によどがわ」と読むのだが、前者が全国区なら後者はまだ地方区の知名度に止まっていようか。神奈川に住み、東京を仕事場とする僕には、なじみのない名勝だが、ここを舞台にした歌づくりをした。友人の歌手仲・・・

吉岡天平がプロの写真家になったぞ!

殻を打ち破れ250回  「吉岡さん、来ました。おおきい人と一緒で、ボクサーだって。あの人もおおきいしね…」  いつだったか、行きつけの月島のもんじゃ屋“むかい”の女将から報告されたことがある。友人の吉岡天平のことで、亡くなった作詞家吉岡治の長男。巨漢2人連れに驚いたらしいが、そう言えば彼・・・

中条議員は『カサブランカ浪漫』をどう捌けるのかな?

殻を打ち破れ249回  或る日突然、赤トンボの群れが現われる。まるで湧いて来た勢いで、マンション5階に住む僕の、眼の前まで舞い上がる。海辺の町への秋の知らせだ。10月2日、対岸の箱根や伊豆半島の稜線を染めて、陽が沈む。中央に影絵の富士山がクッキリ、上手の江の島燈台の光りが回りはじめ、下手・・・

髙瀬一郎の『望郷歌』は船村作品の典型だ!

殻を打ち破れ248回  便りが来たのにリアクションを先延ばしにしたら、ひどく心配した友人がいる。音楽プロデューサー境弘邦。これがなぜか遠回しに、別の友人に質した。  「あんたはしょっ中彼と連絡を取ってんだろ? 音沙汰ないけど元気なのか? 年が年だからな。何事もなければいいが…」  そう言・・・

葉山の花火と和也社長と鮫島有美子と…

殻を打ち破れ247回  突然、花火があがった。夕方の六時ごろ。  ≪え~と、何だっけな、あの花火は…≫  僕は読みかけの本から目をあげ、ボーッと考える。あれは何かの合図か、そうだ、今夜、花火をやるぞ!というお知らせの一発だ! 7月28日、葉山の花火はそれから1時間半くらい後に始まった。コ・・・