霧笛の酒場
作詞:仁井谷俊也作曲:徳久広司
唄:北山たけし
北山たけしは、こういう曲も似合うのだと発見した気分で《ほほう!》だ。前田俊明の編曲が、前奏をサックスで出るムード歌謡系。歌い出しの歌詞1行分、前半はすらっと出た北山の歌声が、後半で情をにじませるあたりから、いい味が生まれている。
曲は徳久広司。昔彼がレコード大賞の作曲賞を取った時に、賞状に「3連の徳さんと呼ばれるあなたは...」なんて文面を書いた覚えがある。この作品のメロディーと乗りの気分のよさは、面目躍如と言えようか。
昔のコーラスグループなら、メロディー中心に気分で歌いそうな曲を、北山はていねいに歌って彼のモノにした。そんな歌処理が今日的なのかも知れないと合点がいった。