(5/25ソングブック掲載)雑文屋として生き、雑文屋として幕を閉じる。

2023年6月7日更新


訃報
小西良太郎さん逝去

 本誌連載コラム「小西良太郎のカラオケ談義~殻を打ち破れ!~」や日本アマチュア歌謡祭審査委員長でNAK会員にお馴染みの小西良太郎さんが、さる5月13日、膵癌でお亡くなりになりました。

 小西さんは東京都生まれ、疎開先の茨城県水海道高校卒業後1958年にスポーツニッポン新聞社に“坊や”(見習い)として入社、その後音楽担当記者の第一人者として活躍し、文化部長、運動部長、編集局長、常務取締役を歴任後2000年に退社。その後は音楽評論家、音楽プロデューサー、晩年は若い頃の夢だった俳優として東宝現代劇75人の会に所属し活躍されました。

 この間、音楽プロデューサーとして八代亜紀の『舟唄』、坂本冬美の『夜桜お七』、五木ひろしの『傘ん中』等数多くの歌手曲制作に携わり、1993年から7年間日本レコード大賞の審査委員長も務められました。また、美空ひばり、船村徹、星野哲郎、阿久悠を筆頭に多くの歌手や作詞作曲家と親交を深め、その幅広い人脈と人望により“演歌歌謡界のドン”、後輩の業界人からは“統領”と慕われる演歌歌謡界史上稀有な存在でした。主な著書に「美空ひばり-ヒューマンドキュメント」、「海鳴りの詩-星野哲郎歌書き一代」、「美空ひばり・涙の河を越えて」、「ロマンの鬼 船村徹」等があります。

 NAKとは、1982年創立時の相談役、1983年第1回日本アマチュア歌謡祭の発起人、創立20周年記念曲『望郷新相馬/お父う』(花京院しのぶ)の音楽プロデューサー、本誌本年5月号で257回(21年5ヶ月)に亘った連載コラムの著者として、とりわけNAK事務局の精神的支柱として大恩のある方でした。編集部に寄せられた最後のお言葉は「雑文屋として生き、雑文屋として幕を閉じる」。

「おぅおぅ〇〇か!」という電話が今にも事務局にかかってくるようで、ご逝去が信じられません。享年87。長きに亘る大恩に感謝し、深甚なる哀悼の意を捧げ、ご冥福をお祈りいたします。

NAK(日本アマチュア歌謡連盟)本部事務局