小西良太郎のカラオケ談義

2022年5月28日更新


弦哲也の57年間を辿った

殻を打ち破れ243回  名手! と紹介された。尺八の素川欣也氏。吹き口に情熱そのものを注ぎ込むような演奏が、会場の空気を揺すり圧した。ひなびた味わいがドラマチックな起伏を示して、ふと『リンゴ追分』の1フレーズを聴いた心地もする。それが『与作』のイントロに収まって、弦哲也が歌に入る。何だか・・・

三沢に神様がついたのか?

殻を打ち破れ242回  ≪ほほう、何とまあ、似合いの曲に出会ったもんだ…≫ テレビで歌う三沢あけみと新曲『与論島慕情』を見比べ、聞き比べてそう思った。『島のブルース』でいきなりブレーク、それを代表作と歌い続けて来た人である。あれはたしか奄美大島が舞台。それが今度は与論島である。長野出身な・・・

山田!『一本道の唄』いいよな…

殻を打ち破れ241回   「山田、40周年だってな。記念曲は出来てるのか?」  「はい。サンプル盤と資料、持って来てます!」  鳥羽一郎のマネージャーとのやり取りである。マネージャーで年下とは言え他社の社員。それを呼び捨てにするのは乱暴に過ぎようが、僕らの間にはそれでいいとする黙契がある・・・

星野哲郎-喜多條忠 伊東に縁を辿って…

殻を打ち破れ240回    星野哲郎の著書「妻への詫び状」に「我が“神田川”時代」という一節がある。昭和32年の秋から東京・吉祥寺の「いずみ荘」というアパートの四畳半で、朱実夫人と同棲生活をはじめたころを述懐する章だ。  「僕らは貧しかったが、幸せだった。(中略)若いふたりの同棲生活を歌・・・

天童で“ひばり愛”を聴いた!

殻を打ち破れ239回  美空ひばりが遺した歌が3曲も出て来た。『みだれ髪』『ひばりの佐渡情話』と『哀愁波止場』で、いずれも相当にむずかしい歌だ。  ≪大丈夫か? 歌い切れるか、ひばり33回忌のあとだよ…≫  審査員席で、僕は他人事ではない心配をした。ひばりとは晩年の15年間を、唯一の密着・・・

田川寿美30年の歩みを観た

殻を打ち破れ238回  田川寿美が『ひばりの佐渡情話』をギターの弾き語りで歌う。それに“つれ弾き”の形でつき合ったゲストのギタリスト斉藤功が、 「古い知り合いだもんね。セーラー服でスタジオ入りしたころからだから…」 と笑顔で感慨を添えた。 「そうよね、そうだ、うん、ふっふっふっ…」 田川・・・

思い出写真と俳句と星野記念館

殻を打ち破れ237回   山口県周防大島の星野哲郎記念館が、面白い企画をやる。館内の写真パネルを大幅に入れ替えるのだが、その1枚ずつに追悼の俳句を一句ずつ添えることにした。詠み手は星野の後輩の作家勢で、長く「虎ノ門句会」で腕を競う面々。掲げられる写真は24枚で、ありし日の星野の姿が収めら・・・

ファン会報にもいろんなものが見える!

殻を打ち破れ236回   井上由美子はコロナ対応のワクチン「モデルナ」の2回目の接種を受けた。副反応が強いと聞いたので、OS-1や頭痛薬を用意したのが8月10日。12日にチクッとやったが、翌日ドカンと来た。体中が痛い、頭が割れそう、体温はみるみるうちに39.2度。しかし一夜あけた14日、・・・

混惑の時代のパリ祭と加藤登紀子

殻を打ち破れ235回  「そうか、来年でもう60回か。俺、日比谷野音の第1回から見てる。感慨深いなぁ」  「その第1回に出演した方、もう誰も居ません。主宰者の石井好子さんをはじめ、皆さん亡くなってしまって…」  7月14日夕、渋谷・オーチャードホールで開かれた「パリ祭」の開演前、窪田豊プ・・・

山崎ハコの辛い胸中を聴いた

殻を打ち破れ234回  ステージに上がる踏み台が3、4歩分。  ≪ここでふらついたら、ヤバイよな…≫  と、腹筋に力をこめた。背後の客席には知った顔がそこそこ。年は年にしても彼らには「やっぱり年だな」と思われたくない。  ステージ正面にギタリスト安田裕美の遺影。形通りに献花する。不謹慎な・・・