雨降る波止場
作詞:仁井谷俊也作曲:中村典正
唄:三門忠司
歌い出しの歌詞1行分を聞けば、作品の狙いや三門の魅力のツボ、聞く側の気分までがちゃんと決まる。判りやすさは流行歌の、一つの利点だ。
仁井谷の詞に中村の曲の組み合わせからして、昭和のあのころの懐かしさを加味する歌づくり。二人は余分なことなどは考えず、ソツなく期待に応えた。あのころ風味は歌唱にもある。とかく歌を抱え込み、感情移入過多なのが近ごろの傾向。三門はそれを離れ、声の艶、独特の節で、メロ本位に歌い回した。結果生まれたのは、宮史郎を上品にしたような上方流か!