男ごころ
作詞:仁井谷俊也作曲:山崎剛昭
唄:鏡 五郎
この人流の〝しあわせ演歌〟である。甘え上手ないい女に、惚れた女はおまえだけ...と、仁井谷俊也の詞は、まるで手放し。
だとすると、そんな男をどう演じるかで、歌の主人公のタイプが決まる。歌手の個性、語り口、力量が聞かせどころになる。鏡はところどころに巻き舌を使って、彼なりのキャラクターづくりをしてみせた。やくざというほどの凄みは出さずに、板前くらいに聞こえるあたり、山崎剛昭の曲も加勢している。
南郷達也の編曲、弦の爪弾きが歌声に寄り添って、相手役の女みたいなのが面白い。