百年坂
作詞:坂口照幸作曲:宮下健治
唄:三門忠司
部厚で粘着力を持つ声だ。それが宮下健治のメロディーを、のうのうと歌い回す。ざっくりとした手触りの夫婦うた。坂口照幸の詞が、生き方不器用な男を主人公にして、結婚25年の感慨を歌わせた。
式も挙げないままの負い目からオハナシが始まるから、歌手や歌い方によってはめめしくなる内容。それをサビあたり、高音で作る声の張りと艶で、三門が男っぽくする。仁侠路線寄りのニュアンスもあるメロディーが、手がかりになったろうか。各節の歌い納めに、歌い放つ心地よさも生まれた。