2012年9月その他1

2012年11月11日更新


雨の裏町

雨の裏町

作詞:仁井谷俊也
作曲:弦哲也
唄:北山たけし

 情緒てんめんのギターの前奏に、路地の屋台、白い襟足、かぼそい体...の詞、ひたひたと押して来るメロディーと、仁井谷俊也・弦哲也・前田俊明トリオの仕事は、あのころふうにたっぷりめだ。例えば作曲・吉田矢健治、歌・春日八郎を連想する世界...。
 定石通りだがよく出来た作品を、北山が歌う。しっかりと大人の味で、ゆるみたるみなく、情が詰まっている。この人は『流星カシオペア』で、いま時の若者らしい〝地〟を聞かせて良かったが、案外それが、その後の自信に生きているかも知れない。