2015年8月のマンスリーニュース

2015年9月14日更新


時に、編曲者の美学に耳を傾けよう

 企画の意図を理解、作曲者の思いも汲んで、作品を飾り、特色を鮮明にするのが編曲者の仕事。例えば、前田俊明は『夕陽燦燦』で情が優しげ、若草恵は『麗人草』をドラマチックに仕立て、矢野立美の『夜桜哀歌』はスリリング。『七尾しぐれ』の蔦将包はメロディアスに艶っぽく『港しぐれ』の丸山雅仁はオーソドックス。『冬の月』と『アドロ...』の伊戸のりおは何でも来いの多才、『どうせ捨て猫』の川村栄二は歌声を生かす隙間づくりの名手。それぞれが独自の美学を示して頼もしい。