
夕陽燦燦
作詞:たかたかし作曲:五木ひろし
唄:五木ひろし

人が二人、夕焼けに向かって立っている。頭上に舞う赤とんぼの群れ。彼らは来し方の四季を思い返す。子どもたちは旅立っていった。その二人が、女は愛をゆりかごに、男は命を楯にして、長く寄り添った夫婦と、三番の歌詞で合点がいく。
作詞のたかたかしは明らかに、ヒットを量産した時期を越えた。失礼だがいわば老境、それが熟年の夫婦の感慨を、赤とんぼに託して言葉少なな詞を書く。しあわせ演歌の元祖が、そういう境地に熟成したということか。
五木ひろしがいい曲を書き、沁みる歌にしている。
