2016年5月その他1

2016年6月23日更新


ふれ逢い橋

ふれ逢い橋

作詞:たかたかし
作曲:市川昭介
唄:長山洋子
amazon

 《ほほう!》と感じ入った。歌の舞台は深川あたり。住む人は優しく、ぬくもりに満ちている。そこへ、幼な子を抱えて逃げ込んだ女が主人公。癒され、励まされて生きていくさまが描かれる。
 歌の情と節回しが細やかなのだ。歌いながら語る歌声が、言葉ひとつひとつを、粒立てている。歌詞の語尾までゆるがせにせず、思いが揺れながら、次の行の頭の情感につながる。
 民謡からアイドルポップスを経て演歌に転じた長山洋子は、彼女なりの艶歌へ到達した。市川昭介の遺作が、長山をそこへ導いたか。