2016年9月その他1

2016年11月3日更新


つづれ織り

つづれ織り

作詞:久仁京介
作曲:弦哲也
唄:中村美律子
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 歌1コーラスには何個所か、息継ぎの場所がある。フレーズ一つを歌い終え、息を吸って、次のフレーズに声をつなぐから、一瞬の空白が生まれる。肝要なのはここで声は途切れるが、歌のココロはしっかりと切れずにいること。歌巧者はその空白を逆に生かし、情感を次の歌詞の頭へ、昂りながら接続する。
 中村美律子は、その間合いが上手だ。今作はテンポがゆっくりめだから、なお難しい。作曲の弦哲也は彼女の前作、歌謡浪曲『無法松の恋』を手掛け、彼女のツボを心得ていた。両者の呼吸の合い方、なかなかなものだ。